第1章 私が自転車にはまったわけ
最近は自転車のことをバイクって呼ぶんですね。 思い起こせば数年前、若い連中とスキーに行った時のこと
「スキーなら負けん!」
・・・・・・・・と意気込んでいったものの、息はゼーゼー、足はガクガク。
ん〜〜、やっぱ運動不足ですな。
そういえば体重はずっとキープしているものの、 なぜか腹まわりがたるんできたような気もする。
・・・・で
「そ〜だ、体をきたえなきゃ!」
と短絡的に考えたものの、 何したらいいんだろ? ジョギングやるには根性なしだし、 で
「はやい、らくちん、腹がへこむ」
という3大要素を持つものを検討した結果、 自転車なら・・・・・・・ スピードが出る という、わがまま、かつ根性なしの結論に達したのでありました。 そーいえば、高校のころ友達の影響でオートバイと自転車にこりだし、
小学校の時買ってもらった自転車を自分で改造して乗ったものです。 大学の時には彼女もつくらず(?) バイトして、オートバイと「ろーどれーさー」(レース用のタイヤの細い自転車) を買ったんだっけ。
あのころは若かった。。。。。。。
夏はナナハン(死語?)、冬は自転車で、暴走族をぶちぬきながら(ウソです)、 電車賃を浮かしていたものでした。 で、思い立った日が大安吉日、さっそく物置から「ろーどれーさー」を ひっぱりだしたのでした。 めずらしく早起きして、シャコシャコとペダルをこぎだしました。 あとから考えれば、ふだんはめっぽう朝が弱い私がめずらしく早起きしたことが が、そんなことを知る由もなく
「お〜〜〜、体脂肪が燃えてるぜ!」
と快調に飛ばしたのでありました。 調子に乗ってさらにガンガン飛ばしたその目前を突然、通学チャリが・・・・。
キキキキ〜〜〜〜!
ブレーキワイヤーがぶちぎれんばかりにブレーキをかけたまでは 確かに自分の意思でした。愛車は私の意志とは無関係に彼の自転車のタイヤにほおずりし、 私はパスポートがわりにハンドルをしっかと握りしめて、空中遊泳の旅に・・・・・・・
・・・・・・・そこはムーンサルト 無重力の世界・・・・・・・
気がつくと、目の前には青空が・・・・・(ちがった、あの時はたしか曇りだった)
「大丈夫だから早く学校へ行きな。」
私はそう言ってあげたのです。何てやさしいんだ、私は。 彼はペコリと頭を下げて学校へ。 いつまでも空を見ててもカッコ悪いので、 周囲に人がいないことを確認した私はサッサと起き上がろうとしたところ、
「お〜〜、いて〜〜〜!!!」
後頭部に触った右手が真っ赤。 すぐ近くに「○野消防署」があるのですが、 救急車の後部席はあまり乗りたいものではありません。 消防車はしょっちゅう乗ってますけど。 中学生に見られるとカッコ悪いので 「何てことない。ちょっと休憩だぜ。」 なんて顔してたものの、ホントは痛いのなんのって。 愛車はというと、 ふろんとほいーる(前車輪)は「メビウスの輪」状態(早い話グチャグチャ)、 ふろんとふぉーく(前車輪を支えているパイプ)は見事な造形を描いていたのでした。 10kmも歩って帰ろうという元気なんてとーぜんないし、しばらく休んでから、 ふろんとほいーる、ふろんとふぉーくを足で踏んずけ、蹴っ飛ばしてなんとか帰路についた私でした。 自転車くん、ごめん m(_ _)m。 『赤い手形のプリント』が入ったTシャツを着て、グニャグニャのタイヤの自転車に乗った私は、登校中の○島学園の生徒から「へんなおじさん」、と奇異な目で見られたのは言うまでもありません。 |
せんむに一言いたい、せんむをハゲましたい、せんむに告白したい、